【雨音朗読/睡眠導入】でんでん虫の悲しみ【久遠あおい/Vtuber】
例えみんなが悲しみを背負っていたとしても、それはひとつとして同じではないし、必ず耐える必要は無いけれど、泣けど喚けど悲しみが消えるわけではなく、明日は来るのだから『わたしはわたしの悲しみをこらえていかなきゃならない』のだというのがわたしの解釈です。
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以下、全文引用
でんでん虫の悲しみ 作:新美南吉
一匹のでんでん虫がありました。
ある日、そのでんでん虫は大変なことに気が付きました。
「わたしはいままでうっかりして生きてきたけれど、
わたしの背中の殻の中には悲しみがいっぱい詰まっているではないか」
この悲しみはどうしたら良いのでしょう。
でんでん虫はお友達のでんでん虫のところにやって行きました。
「わたしはもう生きていられません」
と、そのでんでん虫はお友達に言いました。
「なんですか」
と、お友達のでんでん虫は訊きました。
「わたしはなんという不幸せな者でしょう。
わたしの背中の殻の中には悲しみがいっぱい詰まっているのです」
と、始めのでんでん虫は言いました。
すると、お友達のでんでん虫は言いました。
「あなたばかりではありません。
わたしの背中にも悲しみはいっぱいです」
それじゃ仕方ないと思って、はじめのでんでん虫は
別のお友達のところへ行きました。
すると、そのお友達も言いました。
「あなたばかりじゃありません。
わたしの背中にも悲しみはいっぱいです」
そこで、はじめのでんでん虫はまた別のお友達のところへ行きました。
こうして、お友達を順々に訪ねて行きましたが、
どの友達も同じことを言うのでありました。
とうとうはじめのでんでん虫は気が付きました。
「悲しみは誰でも持っているのだ。わたしばかりでは無いのだ。
わたしはわたしの悲しみをこらえていかなきゃならない」
そして、このでんでん虫はもう、嘆くのをやめたのであります。
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