【ドローン制御(LBS)】海から空へ!マグロ釣りの電動リール技術を活用
創業100年を超える金属加工会社が、新たに「ドローン」事業をスタートさせました。老舗企業が商機を見いだした画期的な製品に迫ります。
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▼内容
■世界で初めて魚釣り用の「電動リール」を発売
大阪府東大阪市にある1919年創業の「ミヤマエ」。金属加工を専門とする会社ですが、じつは世界で初めて魚釣り用の「電動リール」を発売しました。現在はマグロ釣りの漁師などが使うプロ向けの製品をつくっています。
ミヤマエ 宮前昭宏 社長:
「(自動で)巻きもするし、ある一定以上の負荷がかかると糸が出ます」
魚が一定以上の力で引っ張ると、糸を出して緩める仕組みになっています。泳ぐスピードは時速80キロともいわれるマグロ。強引に糸を引っ張ると、暴れて針が外れるほか、体温が上がって鮮度が落ちてしまうのです。
宮前社長:
「疲れたときに引っ張り巻き上げる、また糸を出す。これを繰り返すことで、死なないうちにマグロが船に近づいています」
いまやプロ用電動リールの市場で国内9割のシェアを誇るミヤマエ。さらに、新たな市場開拓に挑んでいます。市場は海ではなく“空”の「ドローン」です。
■ドローンに商機を見いだす
画像はドローンの飛行を補助する装置。マグロ用電動リールの「糸を出しながら、巻き上げる」技術を応用したのです。マグロと同じようにドローンが飛んで、機体が前へ進むと糸が出ます。無理に引っ張らないため、バランスを崩しにくいといいます。
ドローンは人口密集地では規制が厳しく、事前の飛行許可が必要ですが、2021年に航空法が改正され、機体を30メートル以内に係留すれば許可が不要になりました。ここに商機を見いだしました。
インフラ設備の点検などを手がける旭テクノロジーは、この装置を3月に導入。配管の亀裂などを確認する際に役立てています。
旭テクノロジー ドローン事業部 天野 貴仁主任:
「暴走防止にも役立ち、命綱的な役割も果たしています」
日本経済新聞社 高橋圭介記者:
「(2023年度の)ドローンの市場規模は国内で3800億円。5年後には9000億円(2.4倍)に伸びるという予測されています。ドローンの補助という、まだ誰もやっていないマーケットにチャレンジ。ドローンが活用できる範囲をもっと広げられます」
■災害時などの輸送に役立つ装置「ミヤ・ドローンホイスト」
成長するドローン市場で別のニーズに応えるチャレンジもあります。ドローンに取り付けられたこの装置は、電動リールの技術を応用したものです。荷物を巻き上げて移動し、目的地に到着すると糸を伸ばして下ろします。
宮前社長:
「着陸地点が荒れていると、着陸できません。荷物の投下は危険性をともなうので、空中に留まって糸で降ろして荷物を地上に置く方が安全です」
このフックにはある工夫が施されています。
荷物を1度地面に置く
↓
持ち上げる
↓
再度置く
すると、フックが外れました。
衝撃などで意図せずフックが外れてしまうことを防ぎます。
この「ミヤ・ドローンホイスト」は、災害時や孤立した地域への輸送に役立つ装置として、2025年春ごろに販売する計画です。
宮前社長:
「市場も右肩上がりで世の中にどんどん使われていきます。せっかく電動リールの技術があるので、よりいっそう、客の用途にマッチしたモノづくりを進めたい」
まさに海から空へ 市場を開拓した「ミヤマエ」。これからもさまざまな事業を展開していきたいと話していました。