NHK | 【最新の中東情勢】アメリカが国際社会で孤立? イスラエルへのばく大な武器供与はダブルスタンダードか 民間人の犠牲者が続出 油井キャスター解説| 国際報道2023
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バイデン政権による、イスラエルに対するさらなる武器の供与。イスラエル軍の攻撃を後押しし、民間人の犠牲者の増加につながるのではないか。そんな懸念が高まっています。
アメリカでは、先週、バイデン大統領の身内である与党・民主党の重鎮とも言える上院議員5人が書簡をバイデン大統領に送付。書簡は「イスラエル軍がアメリカから供与された武器を使い、民間人が犠牲になっている」と懸念を表明。民間人は攻撃しないという国際法の順守を武器供与の条件としてかすよう訴えています。
ただバイデン政権は今回、この書簡をある意味、無視した形で供与に踏み切ったと言え、ブリンケン国務長官はこう述べました。
「我々はイスラエルがハマスとの戦いで自衛に必要な武器を供与したい。一部の武器が緊急に要請された」。
「我々は、罪のない男女、子どもが多数犠牲になったことを強く認識している。犠牲を最小限にすべく努力している」。
ブリンケン長官はこう釈明しましたが、アメリカの新聞、ワシントンポストは、民主党や人権団体から反発が出ていると報じました。そして、その背景として「アメリカ製の武器がイスラエル軍の攻撃で中心的な役割を担っている」と指摘しているのです。
記事によりますと、イスラエルは、最初の1か月半でアメリカから供与された爆弾、2万2000発以上をガザ地区に投下。さらに、同じ時期に、アメリカから新たに1万5000発以上の爆弾と5万発以上の砲弾を供与されたと報じていて、アメリカの武器が思った以上に大きな役割を担っている実態がうかがえます。
バイデン政権は、通常、他の国に武器を供与する場合、人権侵害が行われていないなど厳しい条件をかすことから、イスラエルに対しては条件が緩くダブルスタンダードという指摘も出ているのです。さらに、バイデン政権は、武器供与の前日には、国連安保理で、グテーレス事務総長が要請した人道目的の即時停戦を求める決議案に拒否権を行使しました。停戦に反対したのはアメリカだけで、孤立が浮き彫りとなったのです。
バイデン政権は、イスラエルに対して国際法の順守を働きかけていると内外にアピールしています。しかし、民間人の犠牲者が減らず、人道状況も一向に改善されておらず、バイデン政権に対する国際社会の見方は厳しくなっています。
油井キャスターの解説です。
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【出演者】
油井秀樹キャスター 酒井美帆キャスター 栗原望キャスター
【放送情報】
NHK BS 毎週(月~金)午後10時~ 国際報道2023
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