
『黒い砂漠』骨太なオープンワールドに浸ろう。PS4版2周年を機に、ソロRPGからオンラインRPGに変貌する大作の魅力を再確認。真に魅力的なゲームはプレイヤーを甘やかさない
「大作RPGをがっつり遊びたい」
そう願うゲーマーは多いだろう。昨今、ナンバリングタイトルを除けば大作RPGが少なく、大勢が冒険に飢えている。できれば家庭用ゲーム機やスマホで気軽に遊びたいところ。
そこで『黒い砂漠』である。

この記事はPearl Abyss JPの提供でお送りします。
『黒い砂漠』はPearl Abyss(パールアビス)が提供するオープンワールドタイプのMMORPG(※)だ。その歴史はPC版からスタートし、現在はプレイステーション4とXbox One、ならびにモバイルでもサービス中。
※日本での運営はPearl Abyss JP(パールアビスジャパン)。
大作MMORPGとしてはアップデートのスピードは速め。イベントも頻繁に開催され、ふつうにプレイしているだけでも経験値やアイテムが大量に手に入る。飽きずに長くがっつりと遊びたいというプレイヤーの想いに、しっかり応えてくれるタイトルだ。

2021年6月末には、新クラスとして海賊“コルセア”が加わった。さらに8月中旬には、コルセア用の上級成長ルート“覚醒”が早くも追加。
PS4版は2021年8月23日に2周年を迎えた。家庭用機ならではの始めやすさと、コントローラーひとつで遊べる気軽さがPS4版の魅力と言える。

2021年夏には、サマーシーズンイベントもコンシューマー版では初開催となった。得られる経験値などがお得になるので、まさにいまこそ始めどき。
ただし、1点だけ注意しておきたい。
『黒い砂漠』はプレイヤーを甘やかさない。
昨今は「どうすれば簡単に気持ちよさを味わってもらえるか」といったおもてなしに注力したゲームが多い。一方、『黒い砂漠』は何から何までプレイヤーを甘やかし、口までごちそうを運んでくれるようなタイトルとは少々異なる。
ゲームを始めると、すぐに直感的で爽快な戦闘を楽しめる。スピーディーに敵を倒すのは気持ちいいが、それは『黒い砂漠』にとって当たり前のこと。本作の魅力と奥深さはそれを越えた先にある。

この世界は自由だ。つぎに何をするかは自分で決めて、自分で楽しさを味わいに行かなくてはならない。
一見、時代に逆行しているようなスパルタな部分もある。それだけの骨太さを持った文字通りの“大作RPG”だからこそ、もっと遊びたくなる。そして、この世界に浸りたくなる。
今回の記事では、2周年を迎えたPS4版『黒い砂漠』の不思議な魅力を整理しようと思う。冒険や探求を求めている人は『黒い砂漠』の世界に旅立ってみてほしい。
目次閉じる
MMORPGなのに自分のペースで遊べる、リアルな世界
『黒い砂漠』の魅力とオススメの遊びかた
ストーリーをひたすら楽しむ!
生産コンテンツを楽しむのもよし
金策は無理にしなくても大丈夫
マルチプレイを強要されない気楽さ
これから始める人向け、PS4版スタートガイド
手軽に始められるダウンロード版パッケージを購入
何はなくともカバンを拡張
できるときに拠点を活性化
PS4版2周年を記念してメールインタビュー。8月25日には無料DLCも用意
MMORPGなのに自分のペースで遊べる、リアルな世界
『黒い砂漠』は2段階の顔を見せる。最初は重厚な物語に没入できるソロRPGとしてプレイヤーを受け入れ、いつしかコンテンツが豊富でマルチプレイや交流を楽しめるMMORPGに変貌しているのだ。
冒険の舞台となるのは、シームレスで広がる広大なファンタジー世界。とはいえ、万能の魔法や伝説の武器があるわけではない。大国間の戦争や魔物の跳梁により、やや荒廃した大地が広がっている。

大都市は栄えているが、郊外の村近辺は荒野に面していたりする。緑がまばらだったり、逆にまったく土地開発されていなかったりと、人の手が追いついていない印象を受ける。
この世界で、プレイヤー=主人公は記憶を失った状態から旅を始める。「契約を果たせ」と、不穏な方向へと導く“闇の精霊”との冒険を通じて、主人公は自分の記憶やこの世界で暗躍する者について、少しずつ知っていく。
オンラインゲームではあるが、序盤~中盤(遊びかた次第では最高レベル帯になっても)はソロRPGのように自分のペースで物語を進行できる。このバランスは本作の特徴のひとつだ。

マルチプレイやインスタンスダンジョンでのアイテム収集、他者との交流を強要されることなく物語を読み進めていく。世界の真相にある程度近づいた頃にはキャラクターが育ち、各種アイテムや資金も貯まっているだろう。
マイペースにひとりで進められるからこそ、世界観にどっぷりと浸かれる。そうしてソロプレイ的な楽しみを続けるうちに、行ける場所が広がっていき、遊びの選択肢も増加。ここがコンテンツの豊富なMMORPGとしてのスタート地点だ。

顔を上げたら眼前に世界が開けていた。そんな驚きがプレイヤーを待っている。

MMORPGなのに他プレイヤーとの関わりを強要されることはない。ストーリーの進行やレベル上げはひとりでマイペースに進められる。
とはいえ、農業を始めとする生活コンテンツ、貿易やパーティーでのマルチプレイといった他者との関わりが重要な要素は、早い段階から開放される。MMORPG慣れしている人はすぐに飛びついて問題なし。ソロRPG好きもMMORPG好きも満足できる構造と言える。

序盤のうちから生活コンテンツに着手できるが、やらなくても問題なくストーリーは進められる。
世界に没入できる本作のグラフィックは、幻想的というよりは写実的だ。現実感を体感できる描写が、「ゲームの世界で生活する」というMMORPGの定番謳い文句を体現。採集や生産、販売など、リアルに即した遊びかたがよく似合う。
世界を自分で描いていくのではなく、自分が世界の一部となって溶け込んでいくような感覚は何ともユニークだ。

キャラクターも背景も、すべて写実的に表現されているからこそ、この世界に生きていると思わされる。過剰な華やかさはない。だが、たしかな息遣いを感じる。
『黒い砂漠』の魅力とオススメの遊びかた
続いて、筆者がPS4版を通じて改めて感じた『黒い砂漠』の魅力を並べてみる。筆者はPC版をマウス&キーボードでプレイしており、コントローラーで本作を遊んだのは今回が初めてだ。
そんなPCゲーマーから見ても、PS4版『黒い砂漠』の遊びやすさはさすがのひと言。

PC版とはUIや操作方法などがかなり違い、むしろ別作品のような新鮮さがあった。
まずは何といっても、アクション性の高さが際立つ。本作の操作はノンターゲット型の3人称視点によるアクション形式。昨今の3Dゲームとしてはおなじみのスタイルだ。
ふたつまでのボタンやレバーの組み合わせという簡単な操作で、さまざまなスキルが発動。広範囲攻撃や移動を伴う技が用意されており、数多くのモンスターのあいだを高速で跳び回って一気になぎ倒す爽快なアクションが楽しめる。

PS4版の場合、Lスティックを傾けながらほかのボタンを押すと、だいたい移動攻撃技が出る。むしろPC版より直感的でわかりやすく感じた。

広範囲を攻撃するスキルにド派手かつ高威力なものが多いのも、本作の気持ちいいポイント。同レベル程度の敵なら、一発で吹き飛ばせたりする。
プレイヤーが選択できるキャラクター(クラス)も非常に豊富。2021年8月現在で23種類も用意されている。
さらに各クラスごとに、高レベルになると“伝承”と“覚醒”のふたつの成長ルートを選択可能。どちらを選んだかで、大きく異なるプレイ感覚を味わえるわけだ。
2~3ヵ月に1回くらいのハイペースで新クラスが追加されるのも魅力的。ここ1年以内には、ハサシン、ガーディアン、ノヴァ、セージ、コルセアの5クラスが実装されている。




戦闘やストーリーだけでなく、本作では遊びのコンテンツが非常に多い。どれだけコンテンツがあるかというと、エンドコンテンツを除いて列挙するだけでも以下の通り。
ハウジング
採集
家庭菜園
労働者の管理
加工業
料理
錬金
釣り
貿易
騎乗動物の調教
狩猟
ワールドボス討伐
海洋冒険
このひとつひとつがまるでサンドボックスゲームのようにボリュームたっぷり。しかもキャラクター強化や金策に結び付くのでやりがいもある。
多くの生活コンテンツはそれぞれが密接に関連している。料理には家庭菜園や釣りで入手した食材が必要だし、大量に入手するためには労働者を雇ったほうがいい。妙なリアリティが、もうひとつの世界での生活を実感させてくれる。
たまには「戦闘に疲れたから今日は畑を耕して、加工品を作って市場に流そう」などと、そのときの気分で遊びかたを変えるのもいい。充実した時間と心地よい疲れを体感できるかと思う。


このように選択肢が多い本作では、さまざまな遊びかたが楽しめる。実際にプレイしてみた筆者から提唱したい、オススメの遊びかたは以下の通りだ。
ストーリーをひたすら楽しむ!
基本中の基本だ。まずはここから始めてほしい。メインストーリーのクエストを消化していくだけで、家庭用機のパッケージ版大作RPGのような壮大な冒険を味わえ、レベリングや装備集めも同時に進む。

メニュー画面の“依頼”タブからウィンドウを開き、“メイン”タブにあるクエストをひたすら進めていくだけでOK。行き先が分からなくなったら“自動ルート”を選択すればOKだ。
生産コンテンツを楽しむのもよし
本作の生産コンテンツは先述のとおり非常に豊富で、これをいくつか進めるだけでも数時間は余裕で遊べる。かなりの額の金策にもなるので、お金稼ぎが好きな人にはとくにオススメしたい。

ある意味アクションバトルよりも奥深い、生産コンテンツの数々。

“貿易”では、冒険で訪れてきた各地を活性化させて貿易路をつなぐ。どの貿易路でどの貿易品を運ぶのがベストか、突き詰めていくととても1日2日では足りない。
金策は無理にしなくても大丈夫
最初のうちはとくに金策を意識しなくてもオーケー。メインストーリー進行と戦闘だけでも必要な分は貯まる。生活コンテンツでしか手に入らないようなアイテムは、貯めたお金で購入すればいい。
逆に、生活コンテンツばかりをプレイしていても大丈夫。本作には装備のレベル制限がないため、他プレイヤーが“取引所”に出品した強力な装備を稼いだお金で入手することで、レベル不足を補うことができる。
そして何より、金策自体が楽しく、気持ちいい。相場などをしっかり調べて挑んでみると、驚くくらい稼げるだろう。

