メノン (対話篇)
メノン (対話篇), by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=1610547 / CC BY SA 3.0
#プラトンの著作
#紀元前1千年紀の書籍
#認識論の文献
#徳
『メノン』(メノーン、希: Mενων、英: Meno)はプラトンの初期末の対話篇である。
副題は「徳について」。
『メノン』は執筆時期的にも内容的にも『ソクラテスの弁明』や『ラケス』といったプラトンの初期対話篇と『饗宴』『国家』などの中期対話篇の結節点に当たる位置を占めており、初期対話篇的な特徴を有しつつも中期対話篇でより詳しく洗練された形で語られるアイディア――想起説、「真理(知識)」と「思いなし(思惑、臆見)」の区別、仮設法など――が荒削りではあるが述べられている。
短いながらも簡潔明瞭にまとめられたその内容から、「プラトン哲学の最良の入門書」として評価も高い。
紀元前402年初頭のアテナイ某所。
メノンがソクラテスに、徳は人に教えられるものか尋ねるところから話は始まる。
ソクラテスは、彼がそうした問いをするのはテッタリア地方に赴いて多大な影響を与えているゴルギアスの影響だと推察しつつ、自分は教える云々以前に、そもそも徳が何であるかすら知らないし、知っている人に会ったこともないと言う。
こうしてソクラテスとメノンの徳にまつわる問答が開始される。
途中、メノンの召使に幾何学の問いに答えてもらったり、アニュトスが対話に加わる(しばらくして怒って沈黙)などしながら、ソクラテスがメノンとの問答を終え、そこを去るまでが描かれる。
『パイドン』において、本篇の想起説の証明が要約的に振り返られている(73A-B)。
また、アリストテレスは、その著作『オルガノン』内で、本篇を2回、名指しで言及している。
対話はメノンがソクラテスに対して「徳は教えられうるのか」と問うことから始まる。
それをソクラテスはそれが何であるかを知らなければそれがどういうものであるかを知ることはできないとして「徳とは何か」という問いに主題を転換させ、メノンにその答を求める。
メノンはいくつかの答を提出するも、いずれもソクラテスに否定され、苦し紛れのうちに知らないものを探求することはできないという後に「探求のパラドックス」と呼ばれるパラドックス『探求の対象が何であるかを知っていなければ探求はできない(さもなくばそれは顔も名前も知らない人を探すようなものである)。
しかし、それを知っているならば既に答えは出ているので探求の必要はない』を提出する。
それに対してソクラテスは想起説を以ってそれに答え、メノンに再び探求をするよう勧める。
しかし、メノンは再び当初の「徳は教えられうるのか」という問いに立ち返り、ソクラテスにその回答を求める。
それに対してソクラテスは(不本意ながらも)仮設法を以って答えようとする。
曰く、徳とは知識であり、知識は正しさ(善)であり、知識とは教えられうるものであるからして徳は教えられうる。
ところがその直後ソクラテスはこの結論に疑義を申し立て、その破壊に取りかかる。
曰く、徳を教えると称するソフィスト、テミストクレスやアリステイデス、ペリクレスといった名だたる政治家を例に取り有徳の政治家などですら徳を教えることができず、徳を教えうる者はいない。
ゆえに徳は教えられえない。
また、道案内を例にとり、その道を知らなくても適当に見当をつければ目的地に行けることから、人を正しく導くのは正しさだけではなく、思いなしもそれが可能であるから、正しさ即ち知識ではなくなり、徳は正しさでもなくなる。
そこでソクラテスは有徳な人は知っていて有徳なのではなく、どの意味で彼らはいわば神がかりの巫女などと同じであるので、徳を神によって与えられるものであると結論付ける。
しかし、これは徳の内容、本質にまで踏み込んだ回答にはなっておらず、実質「徳とは何であるか」という問いに対する回答は失敗に終わっている。
原典には章の区分は無いが、慣用的には42の章に分けられている。
以下、それを元に、各章の概要を記す。
「徳」の定義1 「形/色」の定義 「徳」の定義2 行き詰まり 「幾何学の手ほどき」を通じた証明 「仮設法」 仮設1「徳は教えられる/知識」 仮設2「徳(知識)は善いもの(善)/有益」 「徳の教師」について1 「徳の教師」について2 「徳は神的な正しい思いなし(思惑)」
「知識」と「思いなし(思惑)」 「優れた人物」と「神がかり」 「徳を教えられる者」 「徳それ自体」 本篇では、「徳」は「教えられるもの」ではなく、それゆえに「知識」でもなく、「神によって与えられている、正しい「思いなし」(思惑)」であると結論付けられる。
これは一見、「徳」を知的に探...
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