サム・ライミ監督、『スパイダーマン3』で「ひどい」体験をしたことを振り返る 「またスーパーヒーロー映画をやるとは思っていませんでした」とも
『スパイダーマン3』は関わった人たちみんなにとってひどい体験だったことは間違いないだろう。上層部が制作に干渉した典型的なケースだといえる。その結果、サム・ライミ監督の「スパイダーマン」第4弾は実現しないこととなった。
今は状況は良くなってきている。スパイダー・バースはソニーでもマーベルでもともに健在で、サム・ライミは現在『ドクター・ストレンジ』の続編『Doctor Strange in the Multiverse of Madness(原題)』を監督する。しかし、ライミの『スパイダーマン3』での体験が彼に大きな影響を与えているのは明らかだ。
Colliderのインタビューで、『スパイダーマン3』のあと、スーパーヒーロー映画の監督に戻ってくるのがどれほどたいへんだったかをライミは語っている。もう一度できるかどうかわからないと思ったくらいひどかったという。
「もう一度できるかどうかわからないと思いました。『スパイダーマン3』の監督をやるのは、それぐらいひどいものだったからです。インターネットの意見はどんどん加熱していくし、みんなあの映画を好きではないと言って、それをわざわざ僕に知らせてくれました。だから、戻るのが難しかったんです」とライミは言っている。
エージェントから『ドクター・ストレンジ』の続編を監督するチャンスがあることを聞かされたとき、ライミはできるかどうかわからないと思った。「ああいったタイプの映画は多くを求めすぎです。だから、僕は『理由はそれでじゅうぶんだろう』と感じたんです」と彼は言う。
その後、ライミはドクター・ストレンジというキャラクターを「トップクラスのお気に入りになった」と言っている。また、1作目の『ドクター・ストレンジ』についても、スコット・デリクソン監督は「素晴らしい仕事、信じられないくらいの仕事をした」と賞賛している。
「またスーパーヒーロー映画をやるとは思っていませんでした。でもそうなったんですよ」とライミは言っている。
1作目の『ドクター・ストレンジ』が公開されたのは2017年。『スパイダーマン3』は土壇場でヴェノムが登場することでも有名だが、それが映画にとっては良くない結果を招いた。作品はかなりまとまりのないことになってしまったものの、公開当時のJAPS での評価は高く、「3作目の映画のストーリーとしても、映画の歴史におけるベストコミックスの三部作としても素晴らしいエンディング」と評している。
『Doctor Strange in the Multiverse of Madness』は2022年3月25日公開予定。2021年にこれからリリースされるMCU映画とドラマシリーズについてもチェックしておこう。
サム・ライミ監督、『スパイダーマン3』で「ひどい」体験をしたことを振り返る 「またスーパーヒーロー映画をやるとは思っていませんでした」とも