![[CEDEC 2021]「Ghost of Tsushima」のローカライズで得た6つの教訓を紹介。え,政子殿が怒りまくっているのは日本版だけ?](/images/yt/zf/cedec-2021ghost-of-tsushima6-uegrz.jpg)
[CEDEC 2021]「Ghost of Tsushima」のローカライズで得た6つの教訓を紹介。え,政子殿が怒りまくっているのは日本版だけ?
ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2021」の3日目(2021年8月26日),「『Ghost of Tsushima』のローカライズができるまで」と題されたセッションが実施された。
このセッションではソニー・インタラクティブエンタテインメント PlayStation Studios International Production & Localizationのローカライズスペシャリスト 坂井大剛氏と,ローカライズプロデューサー 関根麗子氏が,「Ghost of Tsushima」(PS5 / PS4)の日本語化を通じて得られた,ほかのプロジェクトにも応用可能と思われる知見を披露した。

「CEDEC 2021」公式サイト
SIEのローカライズプロセス
セッションの冒頭では,SIEのローカライズプロセスが紹介された。それによると,まずデベロッパから届いた台本や音声ファイル,カットシーン用の動画などの素材を管理しつつ,台本を翻訳して音声ファイルの尺合わせをし,日本語のセリフを作っていくとのこと。尺合わせとは,原音の尺に合わせて日本語を調節することを指している。
この尺合わせと翻訳を繰り返して,ある程度セリフができあがったら,収録用の台本を作成し,音声収録に入る。台本はゲーム内の時系列順に届くわけではないので,主人公の仁がこの時点でどれくらい侍寄りなのか冥人寄りなのか,ということを音響監督や役者と確認しながら収録を進めていったという。
音声収録が一段落したら,キャラクター名や技名,フレーバーテキストなどゲーム内のテキストを翻訳する。さらに収録した音声と翻訳したテキストを実装したビルドをチェックし,修正や再収録をして完成となる。

ローカライズの期間はタイトルの規模によって異なり,数か月から1年前後と幅がある。「Ghost of Tsushima」の場合は開発の遅延やコロナ禍の影響により,1年近くかかったそうだ。その長い期間,SIEのローカライズチームのスタッフ達は,チームの目標である「ユーザーに感動を届けること」を念頭に作業を進めていたという。
教訓其の一:開発側とローカライズ側とで共通のゴールを持つこと
「Ghost of Tsushima」のローカライズは,一筋縄ではいかなかったという。そもそも舞台となる鎌倉時代でどんな日本人がどんな話し方をしていたのか分からないし,またスタッフはあまり時代劇にも詳しくなかったとのことだ。
本作のローカライズにおいて何よりも重視したのは,デベロッパであるサッカーパンチプロダクションズが何をやりたいかを知ることだったという。サッカーパンチが掲げていた目標は,「異国の文化を扱う以上,敬意を払って描写すること」「世界中のプレイヤーが楽しみ,共感できる作品にすること」の2つ。
それは言い換えると,「日本人が違和感を覚える,トンデモジャパンにしないこと」「時代考証や正確性を優先した歴史レッスンではなく,エンタテインメントであること」「ハリウッド的ではない時代劇のエンタメを作ること」という意味だ。
何を伝え,何を成し遂げたいのか,デベロッパの目標を理解し,デベロッパとローカライズチームが共通のゴールを持つことが教訓の其の一として挙げられていた。
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