「スーパーロボット大戦30」インタビュー。30周年を迎えたスパロボのこれまでとこれからをこれからを聞いた

「スーパーロボット大戦30」インタビュー。30周年を迎えたスパロボのこれまでとこれからをこれからを聞いた

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バンダイナムコエンターテインメントは,2021年10月28日に「スーパーロボット大戦(以下,スパロボ)」シリーズ30周年を記念した「スーパーロボット大戦30」(PC/PS4/Switch 以下,スパロボ30)を発売する。

 スパロボシリーズは,さまざまな映像作品からロボットたちとパイロットが集い,夢の共演を繰り広げるシミュレーションRPGだ。1991年に初代「スーパーロボット大戦」がゲームボーイ専用ソフトとして発売されてからシリーズを重ね,今やロボットゲームの代名詞となっている。
 また,スパロボに参戦したことで過去のロボットアニメが再評価され,映像ソフト化や書籍化・立体化が進んだという事例も少なくない。ただのオールスター作品にとどまらず,ロボットアニメ文化の発展にも大きく寄与している作品とも言えるだろう。

 そんなスパロボの最新作として発表された「スパロボ30」は,搭乗型スーパーロボットの祖「マジンガーZ」を生み出したである永井 豪氏が題字を手がけるなど,30周年記念のメモリアルタイトルとしての側面が強調されている。
 一方で,現代のプレイスタイルに合わせた「AUTOバトル」「タクティカル・エリア・セレクト」といった新システムも追加されている。30年という年月を経てゲームやロボットアニメを取り巻く事情が大きく変化した中で,最新作はどのような作品になるのか,そして30周年を迎えてこれからスパロボはどう進化していくのか,シリーズプロデューサーの寺田貴信氏,そして「スパロボ30」プロデューサーの最上頌平氏に話を聞いた。

左から,「スーパーロボット大戦」シリーズプロデューサー 寺田貴信氏(B.B.スタジオ)
「スーパーロボット大戦30」プロデューサー 最上頌平氏(バンダイナムコエンターテインメント)

平坦な道ではなかった30年。ゲームボーイから始まり,一大プロジェクトとなったスパロボ


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。スパロボシリーズは今年で30周年を迎えましたが,率直なお気持ちを聞かせてください。

寺田貴信氏(以下,寺田氏):
 原作の版権元や関係者,そして30年応援して下さったファンの皆様に感謝でいっぱいですね。決して平坦な道のりではなかったですし,困難も多かったです。スパロボはゲーム開発者だけでは成立しないキャラクターゲームなので,ここまでやってこられたのは皆さんのご協力やご支援があったからで,感謝することしきりです。

4Gamer:
 平坦な道のりではなかったとおっしゃられましたが,30年間のスパロボを振り返って,一番大変だったことは何ですか。

寺田氏:
 シナリオと戦闘アニメーションのクオリティをキープしつつ,どう進化させていくかという点は常に大変でしたね。
 戦闘アニメーションは年々クオリティアップを続けていて,制作コストと時間に大きな影響があります。シナリオは,原作を理解したうえでクロスオーバーさせるというシビアな工程で,時間との戦いでもあります。ここがサクサクとできれば,あとはシステム周りだけになりますね。ユーザーとしては,シナリオは読み飛ばしてもいいし,戦闘アニメーションはスキップしていいんですけど,作る側としては用意しておかなければいけないものなので。

4Gamer:
 飛ばせるとはいえ,どちらもスパロボの肝となる部分なので手は抜けない部分ですね。

寺田氏:
 ただ,以前“シナリオをどれくらい読んでいますか”というアンケートを取ったところ,こちらの想定していたより読まれていなかった。
 そこでシナリオを軽めにした作品を出したところ,ユーザーからめちゃくちゃ怒られてボリュームを元に戻したということがありました。

4Gamer:
 タイトルとして思い入れのあるスパロボはどれですか。

寺田氏:
 個人的には「α」「Z」「V」といった新シリーズの1作目や一連の「OG」シリーズ,単発物だと苦労した「MX」ですかね。携帯機シリーズについては若手に任せていたところもありますし。

4Gamer:
 「MX」ではどういった苦労があったのでしょう。

寺田氏:
 自分で久々に手がけた単発作品でしたし,上がってきたシナリオの8~9割を,最終的に僕がブラッシュアップすることになったのが大変でしたね。発生するイベントはもう決まっていたので,それを崩さずにシナリオのテキストを直していくという作業が大変で,オリジナルキャラクターの描写にまで労力を回せなかった記憶があります。
 もともと「IMPACT」の2作目として作っていたものが,諸事情で単発になったことからリセットとなった部分が多く,当時の開発スタッフに迷惑を掛けてしまいました。

4Gamer:
 ユーザーから人気があるのはどのタイトルでしょう。

寺田氏:
 アンケートを取る度に変わりますし,世代によってだいぶ結果が変わってきますが,「OG」などのオリジナルを除いて人気なのは「α」「W」「V」「A」「D」といったところでしょうか。特定の作品の人気が飛び抜けて高かったり低かったりといったことはないですね。
 個人的には人気投票はあまりやりたくなくて「あなたの心にある作品が一番ですよ」というスタンスで考えてます。自分がユーザーだったとしたら,好きな作品の順位が低かったりすると悲しいので。

4Gamer:
 30年も続くと,ファンにもさまざまな人がいると思います。寺田さんはこの30年間でファンの世代が変わっている実感はありますか。

寺田氏:
 そういう感覚はあります。ファンの声も昔は「スパロボ遊んでますよ!」だったんですが,それが時間が経つにつれて「小さいころにプレイしてました!」になり,今は「親が遊んでいて,自分もプレイするようになりました!」となってますね。海外では「スパロボをきっかけにゲーム開発を志しました!」とゲーム開発者の方から声をかけられたことがありました。

4Gamer:
 ユーザーの平均年齢や男女比はどのくらいなのでしょうか。

寺田氏:
 アンケートのサンプルからの統計だと,年齢は30代前半がピークゾーンです。男女比は圧倒的に男性の割合が多くて95%を占めています。

4Gamer:
 30代前半というと,初のスパロボは「α」「IMPACT」「OG」くらいの世代でしょうか。

寺田氏:
 そうでしょうね。特に「OG」に関しては,ここ最近ロボットのプラモデルやフィギュアの企画がいくつも立ち上がっていて,担当者の方たちもお詳しいので,世代だったのではないかと思います。以前に展開していた「OG」のプラモデルやアクションフィギュアのシリーズは,50ぐらいの商品を出してもらえましたし。ゲーム発のロボットものでは,割と珍しいことなのではないでしょうか。

第2次スーパーロボット大戦OGより
4Gamer:
 男性95%というのは少し意外ですね。もう少し女性が多いと思っていました。

寺田氏:
 女性を取り込むのであれば,根本的に作り方を変えて“15人の男性パイロットの誰と恋に落ちる!?”くらいのことをやらなければいけないんじゃないですかね(笑)。ただ,そうすると男性から“そうじゃないんだよ!”というお声も上がりそうです。

4Gamer:
 スパロボの乙女ゲーも見てみたい気はします(笑)。「OG ムーン・デュエラーズ」からは海外展開もされていますが,海外での人気はいかがですか。

寺田氏:
 国によって物価が違うので一概には言えないんですが,台湾をはじめとするアジア圏の需要は決して無視できない状態になってますね。熱量も日本に負けないくらい高いですし。

最上頌平氏(以下,最上氏):
 具体的な数字はお答えできませんが,海外ユーザーの比率は皆さんが想像されるより高いはずです。Steam版「スパロボ30」は海外からの予約も好調ですし。

4Gamer:
 世界のいろいろな人に愛されているスパロボですが,寺田さんはここまでシリーズが続くと思われてましたか。

寺田氏:
 いえ,まったく。そもそもスパロボは「第4次」で終了する予定だったんです。

4Gamer:
 え,そうなんですか。

寺田氏:
 当時「第2次」は販売数があまり出なかったんです。次の「第3次」は売れて,すぐに「EX」を作ったんですが,あまり芳しくない結果でした。

4Gamer:
 尻上がりに好調を維持していったシリーズだという印象があったので,意外です。開発とユーザーで見えている現実がだいぶ違っていたんですね。

寺田氏:
 「EX」は値崩れして安く販売されていたので,ここから入門された方も多かったみたいですね。その後「第4次」でシリーズを完結させることになり,開発スタッフも「終わるんだったら最後にふさわしいものを作ろう!」と気合を入れて作っていたんです。

4Gamer:
 確かに「第4次」は自分で主人公を作り,ロンド・ベル隊に入って戦うというロボットアニメファンの夢を叶えた集大成的な内容でした。

寺田氏:
 開発スタッフは「第4次」の後に「魔装機神」へシフトする予定でしたし,僕自身も新たに特撮のゲームを立ち上げるために企画を練っていました。そこに「『第4次』が結果を出したので,続きを作るように」という指示が出たんです。
 それからは「第4次」をPlayStationへ移植した「第4次S」や,SDではなくリアル頭身のロボットを出した「新」と継続していったんです。

第4次スーパーロボット大戦S4Gamer:
 「第4次S」では,シリーズで初めて戦闘シーンにボイスが入りましたね。

寺田氏:
 当時は,ボイスを収録するにしてもどうすればいいのかまったく分からなかったので,手探りでおっかなびっくり進めていきましたね。

4Gamer:
 今はそうした手探り感はないわけですよね。やはり昔と今では仕事の進め方も変わったのでしょうか。

寺田氏:
 変わりましたよ。版権元さんと打ち合わせをして会社に戻り,開発スタッフに電話でゲーム内容についての指示を出した後,そのまま雑誌記事の校正をして出版社にFAXを送る……という感じで,僕1人がいろいろな仕事をやっていました。
 今では専門のスタッフがいますから,僕がすべてを背負い込むこともありません。30年前の自分に「これからいろいろと助けてくれる人たちが出てくるから,大丈夫だよ」と教えてあげたいです(笑)。

4Gamer:




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