FM TOWNS / MARTY - Sprite graphics Benchmark Demo
24富士通のパソコン「FM TOWNS (マーティー)」のスプライト表示性能を計測するデモ・ベンチマークソフト
https://drive.google.com/file/d/1-2AUC5IxDnptaepQpTjcW7UpXejXbMt4/view?usp=sharing
当時は珍しかった表示方法から疑似スプライトと揶揄され、その変な揶揄のされ方からDSPで処理してるとかbitblt処理だったとか色々と勘違いされるが、一般的に連想される他のスプライトコントローラとの差異は単純にグラフィックがラインバッファに転送されるかフレームバッファに転送されるか程度の違いしかない。表示までの工程はラインバッファ方式と一切変わらない、ただ表示可能枚数がちょっと多いだけの普通すぎるスプライト表示機能。
スプライトRAMのインデックス部に書き込まれたX座標値・Y座標値・パターン番号(16*16サイズで通常は896パターンまで定義可能)・16色表示か32768色ダイレクト表示指定のフラグ・16色指定の場合は32768色中16色のパレット番号(256個)・上下左右反転・90度回転・縦横独立で半分縮小表示するかのフラグを読み取って、それに準ずるようにスプライトのグラフィックがVRAMに書き込まれていく。出力先がVRAMなのでスプライト描画が終わった後にCPUでVRAMを弄って表示画面をコピーといった加工も可能だが、スプライト描画そのものは完全に固定ハードウェア処理なのでスプライトコントローラのレジスタやスプライトRAMを弄っても機能以上の表現は行えず、フレームバッファ方式ならではのスプライトの変形といった機能すら持ち合わせていない。
横並びの制限が一切なく、最大1024個まで表示可能だが初期型FM TOWNSは227枚、マーティーでは239枚、後期型の白TOWNSでは278～284枚スプライトを表示する毎に1フレーム(画面モードによって異なるが実時間で16.66ミリ秒)間に転送できるスプライトグラフィックデータを超えてしまいフレームレートが下がっていく。初期型の場合、最大表示枚数の1024枚を表示すると12fps程度、60fpsを維持したい場合は227枚までしか表示できないことになる。
FM TOWNSの問題点はスプライト機能だと思われているけど、X68000でも最大128枚表示(なおスプライトダブラーで解決可能)なので227枚までならフレームレートを維持できて、動画の内容からも実際にはスプライト機能は他機種より良いとわかるが、スプライト表示以外の機能がかなり貧相なのが大問題。
スプライトを表示する転送先のフレームバッファはレイヤ2枚だけある表示画面を丸々1枚を消費、もう一枚の画面は4096色中16色かダイレクト32768色指定のビットマップ面しか指定できない。レイヤ表示の優先順位もドット・ライン毎に変更といったこともできず、必ずビットマップ面・スプライト面のどちらかが全域上になる、BG機能などは用意されておらず、背景面を描画するにしても最大16色のビットマップは色数が少なくて地味な画面となるか、32768色だとスプライト面と同じ色数で馴染むものの書き換えに必要なデータ量が多くてあまり動きが激しい描画が行えない。
#FMTOWNS #レトロPC