【Switch ソフト紹介・レビュー】いけにえと雪のセツナ
※長文の感想を書いています↓↓
古き良き王道RPGをコンセプトととしたゲーム。
そのコンセプト通り、システムやストーリーは昔懐かしい仕様で、複雑な要素も特に無い。もちろんグラフィックは現代風なので古臭い感じはしない。
特徴としては全世界が「雪・氷・冬」の世界で、春や夏っぽい場所は全く無い。ずっと寒そうな世界。ストーリーはFF10に酷似。あらすじだけ見るとFF10まんまやんって言う感じ。
また、BGMはピアノ「のみ」。ピアノ主体ということではなく、ピアノ以外の楽器が登場しない。ピアノオンリー。ボス戦や激しい場面もピアノ!
ゲーム全体のボリュームとしては20時間弱で全クリできる、わりと軽めのPPG。
賛否両論あるゲームではあるが、個人的な感想としては、(動画内でけっこう辛辣に言ってますが)面白くなかった。クソゲーというわけではなく、それなりに最後まで熱中したけど、特にストーリーやキャラクターの描写が良くない。
シナリオのつながりが不自然で、展開が急すぎるし、作り方が下手。動画内で言った「良い素材を使って素人が作ったRPGツクールみたい」ってのが一番しっくりくると思う。
テンプレートのような物語進行・キャラクター、どのイベントもどこか別のゲームで見たようなものばかり。古き良き王道RPGをイメージって、そういうことじゃないだろ。
笑えるのはオートセーブ無しなのに、フリーズ等のバグが発生するところ(これは他でも報告されていて、おれも一度味わった)。これのせいでこまめにセーブしないとめっちゃ戻される。いや、そこまで昔のゲーム仕様にするって何考えとんねん!
急展開なうえ、文章は説明的でぎこちなく、ライターの力不足感は否めない。設定が説明されたらすぐ仲間になる、すぐハプニングが起こる、すぐその解決策が見つかる……。これじゃ感情移入もへったくれもありゃしない。
全編ピアノオンリーという音楽へのこだわりはおおいにけっこうなんけど、それは迫力やバラエティー感に欠けるというリスクがある。そして、このゲームのピアノ楽曲ではその欠点をカバーしきれていないと思う。つまり、そこまでのクオリティのある曲は無いということ。悪くはないけど、耳に残るほどの良曲もないかなあ。(一番良い曲はFF9の『ひとりじゃない』のパクリ曲っていうね……)。
主人公の「エンド」のキャラ設定もよく分からん。戦闘中はクール調で喋りまくり(音声はこの戦闘中のみ聞ける)、会話の選択肢もしょっちゅう出てくるがそれ以外では一切喋らない。FFの感情あるキャラクターなのか、ドラクエの性格の無いキャラクターなのかはっきりしてほしい。さらに、選択肢は何を選んでもストーリーや取得物等に全く影響しない。変な選択肢を選んでもその場でツッコまれて終わり。まあそれはいいんだけど、その「変な」選択肢ってのけっこう多くて、ふざけて作ってるような、そんなセリフ言うわけないやん的な選択肢があって冷める。せめてここくらい物語に忠実にやれよ。
戦闘形式はシンボルエンカウントで、敵に接触したらその場で戦うクロノトリガー。これは公式でもクロノトリガー式って言ってて、連携技とかもある。戦闘はやや作業感あるかな。弱い敵・強敵が極端すぎる気もするが。
ただフォローしとくと良い点もいくつかあり、テンポは良いし、レベルアップも容易で難易度も程よい。強敵にはちゃんとした戦略がいるし、素材を集めて売って性能をカスタマイズするのもまあまあ楽しい。
ストーリーも構成はひどいけど、感動を誘うようなあらすじが最初から公開しているだけあって、ラストはけっこう良い。
ほか、細部の作りこみはこだわっていると思う(家の中の小物とか……)。雪の世界とピアノ楽曲はマッチしていて違和感もない。
また、最新のゲームのようなややこしいストーリー・キャラ設定もほとんど無いので、RPGが苦手・あまりやったことない・長期間やったり複雑なお話は苦手、って人にはとっつきやすくてかなり良いゲームと思う。
ただ、ある程度色んなゲーム(RPG)をやってる人からしたら「ユーザー舐めんな」ってゲームではある。
あと、FF4みたいなスタッフ開発ルームをゲーム内に作ってどうでもいい開発秘話とか内輪ネタやったり、ネット上で「こだわって作りました」ってオシャレインタビュー記事出したりするのは鼻についてムカつく。そんな大層なゲームちゃうでコレ。特に、内輪ネタのうすら寒いスタッフルーム(メタ的空間)に強い武器やイベントアイテム置くのはダメ、それはマナー違反やろ。
まあ、言った通りクソゲーではないけど。
ダウンロード版価格:5280円
対応人数:1人
ジャンル:RPG
公式HP:https://www.jp.square-enix.com/setsuna/
内容(ダウンロードサイトより):
あの頃、みんなRPGに夢中だった。
とりもどそう、ボクたちのRPG――。
純国産RPGが隆盛を極めた1990年代、数多の名作たちが与えてくれた感動は、今なお色褪せることはない――。
『いけにえと雪のセツナ』は、スクウェアRPGの代名詞とも言える“アクティブ・タイム・バトル”、『クロノ・トリガー』でお馴染みの“連携”など、当時のプレイフィールを追求し、“あの頃”のRPGを現代の技術で再構築した王道RPGです。
また、今後配信予定のNintendo Switch版専用無料DLC『時の闘技場』では、自身のパーティと他プレイヤーのパーティによるAI対戦もお楽しみいただけるようになります。
ご期待ください。
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