wizardry 囚われし魂の迷宮#15「ポリポリダケを求めて」

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Duration: 1:54:58
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シーインの迷宮第6層の探索再開を決め、準備を進めるペチカ一行。
「あれ、クエストの材料・・・ひーふーみー・・・20あるじゃないか」と火鉈が気づいた。
「あれぇ~・・いつの間にでちか」
「おい!クエストの材料管理は、ペチカのはずだっただろ!」と突っ込むも、「そんなペチカのお守りは、火鉈の仕事でしょうに」とバロンに突っ込まれた。
笑いのある日常、こんな時間が続けば幸せなのか?。そんな感覚を、共有できる仲間に成長してきたのであろう。
「迷宮に入る前に、ハンドの店に寄りましょうか」とノーザンライトに促され、アイアンハンドの道具屋へ向かった。

「おや、さすがに仕事が早いですね」とハンドに感謝されたが、いつからそれが完了していたのかわからないことは言わないでおいた。
「そうそう・・・」
思いだしたように、店を出ようとしていた一行をハンドは呼び止めた。
「ギルドのブーズが、あなた方が店に来たらギルドに寄ってくれと」
「あまり、良い予感はしないわね・・・」と、妃翳がつぶやくと。
「あの人、僕はあまり信用できません」と、ソランが渋る。
「なんの要でちかね?何か、聞いてないでちか?」
「聞いてないですね。」義手の人差し指でこめかみを抑えながら、心当たりを探るような仕草を見せるが。
「まぁ、あいつのここだけの話ってのが、ギルドの評判をおとしているのは確かですなぁ。」と、見当違いの答えが返ってきた。
「ドワーフの秘宝の情報だったりするかもしれませんよ?」
悪気はないのだろうが伝言を頼まれた都合、足を向けそうな物言いをした。
「行くでち!」と、案の定ペチカを釣り上げたのであった。

「おう!来てくれたか。」と笑顔でブーズは出迎えた。
「あんたがたPTの指名依頼だ」と、個室に通された。
「指名だと?俺たちはいつから、そんなに有名冒険者になったんだ?」
開口一番、火鉈が噛みつく。
「だったら、冒険者冥利に尽きるだろう?」と得意げにいうブーズであったが、元々ペチカたちは目的は違えど一般の冒険者とは違うPTだと知る由もなかった。
必死に頼み込むブーズに、渋々依頼を受けることにした。
怪しい依頼ではあるが、依頼自体に王宮が調査の依頼をかぶせてきて断れなかったという。
指名したのはブーズ自身であると判明したが、現状ではペチカのPTが1番成功確率が高いという判断らしい。
また、判断の1つに、報酬額が安いということもあったらしい。
「無名の神の書」というよくわからない物の探索依頼であるが、ヤバい案件に対して話を聞いてくれるPTに心当たりがなかったとみえる。
要は、都合よく使われるということだ。
だが王宮がらみの案件に、本当に困っていることはわかった。
ブーズお得意の此処だけの話によれば、王宮に調査を依頼したのは寺院のお偉いさんらしい。
依頼の目的地も、ペチカたちが向かうシーインの迷宮第6層。
依頼を受けようが受けまいが、なんらかの事態に遭遇するのはかわらないだろうと判断した。

そして、前回未調査だったエリアに差し掛かり、早々に事態と遭遇した。
ふっと視界が暗くなり、アンチスペルの結界に毒づく。
「嫌な予感しかしないですね・・・早くゾーンから抜けたいですね」
緊張しながら、ノーザンライドが囁く。
声を押し殺しながら進むPTを、無言で妃翳が手で静止させる。
妃翳の指さす方向を見ると、宝箱が見えた。
「妖気溜まりか?」バロンが、ゆっくり近づく。
「妃翳さんも、お願いします」と。ノーザンライトが手招きをする。
「呪術かな・・・それと」ノーザンライトに妃翳が「罠ね」とかぶせた。
「何秒?」と妃翳が尋ねると、「3・・・いや4秒は」とバロンが答える。
ノーザンライトが魔方陣を箱の周りに書き始めると、バロンが静かに詠唱をはじめる。
妃翳は道具入れから、七つの道具を起用に指の間に挟み、構えて待つ。
魔法円が光はじめると、呪いの妖気が薄れていった。
光と闇が拮抗した時「今です」2人が合図する。
間髪入れず妃翳が箱の隙間を覗きながら、4つの道具を指から落とし、残りの道具で素早くピッキングする。
わすか3秒、呪いと罠は解かれ、箱は口を開けた。
「な・・なんでちか、これは。凄く、嫌な感じがするでち」
ペチカが反応したのは、箱から滲み出る異様な邪気だった。
何の銘も書かれていない、魔法で施錠された1冊の本。
呪い・妖気・邪気、あらゆる負のエネルギーに満ち溢れているように見えた。
「とにかく依頼達成だ。アンチスペルゾーンでは、結界に入れて運ぶこともできません。」
バロンに言われ、本に直接触れないようその場を移動する。
ゾーンを抜けたのを確認し、即座に保護呪文をかける。
「とりあえずキャンプを張って、本を運べるようにしまよう」とノーザンライトが退魔の結界を張ろうとした瞬間、敵を感知した。
ガサガサと音を立てて現れたのは、巨大な蜘蛛の化け物ウェブスピナーだった。
ゆっくりと近づくそれに続き、ジャンアントゾンビとバンシーが現れた。
「いつもいつも、空気読めってんだ!やるぞ、速攻だ。」
火鉈が即座に構え、オドを溜める。
マジックウォールが展開し、バンシーを解呪するためにライトが印を結ぶ。
「これで終わって!」いち早く詠唱を終えたソランの呪文が炸裂する。
「NALバースト!」
爆炎が魔物を包み込み、肉の焼ける臭いが立ち込める。
やったか?と収束していく炎を、凝視する。
そして、煙の中から呪文が飛んできた。「スロゥムーブメント」
体の動きを制限する魔法に、全員の動きが鈍くなる。
続けざまに呪文が飛来する。「ボルカニック・フィールド」
PTの周りを、灼熱の溶岩が襲う。
「ぐわぁー!」
魔法抵抗を越えてダメージが通り、溶岩に飲み込まれるPTの悲痛な声が通路に響く。
体力の低いノーザンライトとソランは、酷い火傷で致命傷を負っていた。
消えゆく煙の中から、殆ど炭化したバンシーが襲い掛かる。
「動いて!お願い!!」悲痛な叫びを上げるが、妃翳の体は意思を無視して動いてはくれなかった。
バンシーはまっすぐに、ライトとソランの命を刈り取ろうと突進する。
ターンアンデットを唱える途中だったライトの指先は、原形を留めずに骨だけが見えていた。
「ライト!貴方にはまだ!やらなくては行けないことがあるのでしょう!!」
バロンは叫びながら、間に合わないであろう魔法の詠唱に入る。
その声に反応したように、骨になった指が動く。
肺から煙を吐き出しながら、ライトの口が動いた。
「全ての万物は、土から生まれ土に帰る。全ての罪を許します。土に還りなさい。」
解呪!ターンアンデット。
地面より湧き出る光によって、バンシーが消失していく。
終わったか?と思った瞬間、バンシーは残る力で本へ向かった。
消えゆく際に、そっと本へ振れたかと見えた時に異変が起こった。
本が赤く発光し、ブルブルと揺れ始めたのだ。
即座にバロンが、新しい魔法の詠唱に入る。
「ヒーリング・ウィンド」
PTメンバーの体力が、全快していく。
続けてバロンの魔法障壁がPTを包み、ライトはソランの精神を癒した。
「みんな、本から離れて」ソランが咽ながら叫んだ。
「な、なんなんでちか、その本は」
クレイモアを構え、ペチカが本を凝視する。
赤く光っていた本が次第に点滅をはじめると、点滅に合わせて鼓動し始める。
血管のような物が浮き出し始め、禍々しい妖気が溢れ出してくる。
黒い靄がかかったかと思えば、そこから声が聞こえてきた。
「この本は彼の方に届ける物、持ち去られるわけにはいかないのですわ」
「モーラか!」バロンが問うと、靄の中から首のない魔物、ジャムを引き連れたモーラが現れた。
「人族風情が、神の本を手に入れようなどとおこがましいですこと」
その言葉に、バロンが被せる。「魔族が神を、語らないでください」
「無駄口をたたいてる、暇があるのかしら」とモーラが不敵に笑うと次の魔族が出現しようとしていた。
「無駄口は、貴女です!」ライトが印を結び終え、ターンアンデットを唱えた。
「またしても、忌々しい坊主め・・・」聖なる光に、モーラが消失していく。
「何度でも蘇り、その首頂きにまいります。覚悟して、待っていなさい」と言い残し、モーラとジャムは消え去った。
「本に結界を張らないと、魔物が湧き続けるかもしれません」
2枚目のマジックウォールを張り終えたバロンが言うと、次はシェイドが4体姿を現し襲いかかってきた。
トリックアタック!ペチカと火鉈の計6連撃で、シェイドが一瞬で葬り去られる。
更にシェイドが4体、バンシーが4体現れたが、攻撃する間もなくライトのターンアンデットに解呪された、
本にたどり着きライトが魔方陣を描き始め、バロンが詠唱をはじめた。
2人を囲むように守りを固めると、周囲に殺気が立ち込めた。
「まったくアンデット共は、役に立たん」
そう言い放ち現れたのは、レッサーデーモンだった。
「ソラン!中に入って」妃翳がソランに促す。
レッサーデーモンに周囲を囲まれ、前衛3人で後衛3人を円の内側に入れるように守る。
ソランがレッサーデーモンを吹き飛ばし、火鉈と妃翳はスピードを生かしかく乱し前進を阻む。
周囲を囲まれNALバーストのような集団魔法は味方ごと攻撃範囲に入ってしまい唱えられない反面、ソランは詠唱の早い魔法で敵の足止めをする。
「詠唱は終わりました。あと少しです」
言い放ち、消えた魔法障壁をバロンが張りなおす。
「ソラン、ありがとう」
ライトが魔を焼き尽くす、光魔法を唱える。
「シャイニング・ヒート」
退いた獲物に、妃翳と火鉈がとどめの一撃を入れる。
「吹き飛べっち」
ペチカが3体同時に、レッサーデーモンを吹き飛ばす。
「ペチカ!どいて」
横に避けたペチカの脇を、魔法風がすり抜ける。
「ボルカニック・フィールド」
レッサーデーモンは重なり合ったまま、溶岩の中で消し炭になっていく。
最後の1体が、本に手を伸ばそうと突進する。
「やらせませんよ」
バロンが、手をかざす。
「シャイニング・インパクト」
眩い光と共に、レッサーデーモンは消失した。

静けさが戻った迷宮に、6人がへたり込んだ。
「毎回毎回!誰か疫病神でもいるんじゃないのか?」
火鉈が、ぼやく。
まさか?と思う反面、誰が?と想像してしまったのか全員が無言になってしまう。
リラックスさせるつもりが、変なことを言ってしまったと火鉈が押し黙るがペチカが突然叫んだ。
「ああああーーーー!!やっちまったでち!!!」
ビックリして全員が見ると、ペチカが天を仰いで立ち尽くしていた。
「どうするでちか、ハンドに怒られるでち!」
ペチカが2つに折れたクレイモアを両手でぶら下げ、半泣きしていた。
「ぶっ!」
5人は吹き出し、疫病神はペチカでいいやと心の中で呟いた。

ペチカの武器が無くなってしまってはと帰還を口にしようとした時、新しい宝箱が出現していることに気付く。
「罠はかかっていないようだけど、どう?」と妃翳がライトに尋ねると、「呪いの類もなさそうですね」と答えた。
恐る恐る蓋を開けてみると、武器二振り防具が1つ見えた。
そして、ペチカが両膝を付き崩れる。
「ちち様・・・・」
力が入らないのか、四つん這いになってペチカが宝箱へ這いずっていく。
「ペチカ・・・まさか、その斧は」妃翳がペチカを支え、箱へと誘う。
箱の前で正座をするように座り、震える手がなかなか斧に伸びない。
「ほ・・・本物でちかね・・・」
妃翳が箱から斧を取り出し、「それは、ペチカにしかわからないでしょ?」と手渡した。
「ドワーヴン・ウェポン・・・ほら・・・一族の紋章がある・・・でちよ。本物・・・でち。」
ペチカは大事に抱きかかえ、「ちちさま、ははさまぁぁ」と誰はばかることなく、天を仰ぎ大きな声で泣いた。
そんなペチカを、ライトが後ろから抱きしめた。
「よかった・・・本当に。よかったです。」

続く!
(すいません1話で書ききれませんでした。続きは次回リプレイに持ち越しです。残り500字は、あとで追記するかもしれません)




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