
『メトロイド ドレッド』レビュー。恐怖と緊張がやみつきに! 選ぶべきは闘争か、逃走か
『メトロイド』シリーズ最新作『メトロイド ドレッド』が、2021年10月8日にNintendo Switchでついに発売される。2Dアクションの『メトロイド』としてはじつに19年ぶりの完全新作となる本作のレビューをお届け。サムスの前に立ちはだかる新たな脅威“E.M.M.I.”を始めとした、本作の魅力を紹介していこう。
なお、ファミ通では本作の内容を紹介する連載“メトロイ道”も掲載しているので、詳細が気になる方はこちらもチェックしてほしい。
『メトロイド ドレッド』(Switch)の購入はこちら () 『メトロイド ドレッド』(ダウンロード版)の購入はこちら謎を追ううちに惑星ZDR探索に没入
2017年に『メトロイドII リターンオブサムス』のリメイク作『メトロイド サムスリターンズ』が発売されているものの、前作『メトロイド フュージョン』のリリースから数えると19年ぶりの新作ということもあり、本作で初めて2Dアクション『メトロイド』に触れるという人も少なからずいるだろう。
しかし、過去作をプレイしていない人でも大丈夫。ゲーム開始直後にこれまでの物語をおさらいしてくれるので、シリーズの知識がゼロの状態でも十分に楽しめるようになっている。
本作で浮遊生命体“メトロイド”とサムスの物語がついにひと区切りを迎える
物語は、連邦に“X”の存在をほのめかす映像が銀河連邦本部に送られてきたところからスタート。Xとは、『メトロイド フュージョン』に登場した寄生擬態生物。ほかの生物に寄生し、DNA情報から宿主に擬態するという厄介な性質を持っている。前作で死闘の末にサムスが全滅させたはずだが、そのXの映像がなぜ……? 大きな謎を抱えたまま、サムスは惑星“ZDR”に赴くことになる。
Xの映像は誰が送ってきたのだろうか……?
『メトロイド フュージョン』ではサムスに擬態したXである“SA-X”がサムスを追い詰めた
上記の導入が終わると、サムスは惑星ZDRに到着。しかし、惑星の最深部で謎の鳥人族に襲われ、気を失ってしまう。サムスが目を覚ますと、パワードスーツの機能が著しく低下していた……。
目を覚まし、探索を少し進めるとサムスの前に現れるのが惑星外多形態機動調査機(Extraplanetary Multiform Mobile Identifier)、通称“E.M.M.I.”だ。
本作を象徴する大きな脅威のひとつE.M.M.I.。惑星ZDRの探索中にはたびたび追われることになる
E.M.M.I.は銀河連邦がサムスに調査を依頼する前に惑星ZDRに送り込んだ調査ロボットだが、惑星ZDRでサムスと遭遇した瞬間、命を狙って追いかけてくる。敵ではないはずなのにサムスを追うのはなぜだろうか?
本作ではこうした謎を軸に、『メトロイド』シリーズならではの濃密な物語が展開されていくので、前作からの物語の続きを楽しみに待ち続けていたシリーズファンも安心してほしい。筆者は序盤から謎の真相が気になりすぎてやめどきが見つからず、ずっと惑星ZDRを探索していた。
恐怖と安堵の緩急が新しい『メトロイド』の楽しさ
本作のもっとも大きな特徴は前述したE.M.M.I.の存在だ。公開済みのトレーラーで執拗にサムスを追いかけるE.M.M.I.の姿を見て、プレイ前から恐怖を感じた人も多いと思うが、プレイしてみるとE.M.M.I.はますます怖い。
まず、ゲームのかなり序盤で、壊れかけている状態のE.M.M.I.と遭遇する。壊れかけなので機能はほかの個体より劣り、トレーラーに登場していたE.M.M.I.のように猛然とこちらを追いかけてくることはない。
しかし、サムスが追いかけられないような高所に上った後でも壁をガリガリとひっかき、追跡を続けようとするのである。ほかのムービーシーンでも、E.M.M.I.が敵意むき出しで向かってくる様子がサムス視点の映像で挿入されるなど、サムスが感じる恐怖を描くためのこだわりが随所に感じられた。
もちろん、ただ怖いだけでなくしっかりゲームとしてもおもしろい。ゲームを進めると一時的に獲得できる特別な武器“オメガキャノン”を使えば、E.M.M.I.を倒すことができるようになるのだが、簡単に倒せるわけではなく、追跡から逃げながら倒すための手順を踏む必要がある。
拘束された後に脱出することも可能。しかし、非常にシビアなタイミングでボタンを入力する必要があるため、ほとんどの場合はゲームオーバーになってしまうだろう
まず、“オメガストリーム”という攻撃でE.M.M.I.の頭を集中的に狙い、頭部のコアを露出させる。その後、チャージして放つ高威力の“オメガブラスター”をコアに当てるのだ。E.M.M.I.がジリジリと近寄ってくる中、頭に照準を合わせながらチャージしているときの緊張感はすさまじい。
プレイしていて気付いたが、E.M.M.I.が出現する場所から逃げたときには、自然と「ホッ」と一息ついてしまう。E.M.M.I.という脅威が去ったことによる緊張からの解放。この緊張と安堵の緩急がじつに絶妙だ。
ちなみに、E.M.M.I.は全部で7体存在し、それぞれの個体で特徴が異なる。どういった動きをするのかをしっかり見極め、恐怖に対抗していこう。
アクションの進化でさらにアグレッシブな探索が可能に
アクションは『メトロイド サムスリターンズ』をベースに、フリーエイムやメレーアクション、スライディングなどの基本アクションがさらに遊びやすく進化。筆者はとくに“メレーアクション”が気に入った。敵の攻撃に合わせて“メレーカウンター”を狙っていくことで、エネルギーやミサイル弾数の回復もしやすいうえ、何より、カウンター演出は迫力があって気持ちがいい。
さらに、『メトロイド サムスリターンズ』ではメレーカウンターを狙うあまり、敵と出会ったときに反撃するために“待ち”の状態になってしまう部分もあったが、本作では“ダッシュメレー”が追加されたことにより、さらにアグレッシブに探索を楽しめるようになっている。
筆者はなかば無意識で、ムダなところでダッシュしながらスライディングしたり、立ち止まって撃てば安全なのにわざわざ敵に向かいながらダッシュメレーを狙ったりしてしまった。進化を遂げた本作のアクションはそれほどまでに爽快で、中毒性がある。
また、探索中にサムスのエネルギーがゼロになってしまっても、すぐ近くからコンティニューできるようになっているのもありがたい。前述のE.M.M.I.の登場で、これまでよりもゲームオーバーのリスクは上がったように感じるが、ストレスなくリトライ可能。そのため、失敗してしまっても、再度挑戦する気持ちが湧いてくる。
そして、映像は『メトロイド』シリーズ初のHD画質で迫力満点。ムービーはもちろんのこと、探索中までサムスの動作は凛々しく、かっこいい。恐怖を感じるシーンではサムスと同化して怖がりながらも、機敏な動きで華麗に立ち回るサムスのかっこよさにウットリしていた。ぜひ実際にプレイして完成度の高さを味わいながら、未知の惑星を探索する恐怖に立ち向かってみてほしい。
この記事を共有
マイニンテンドーストア『メトロイド ドレッド』ページ
『メトロイド ドレッド』公式サイト
(C)Nintendo
Other Videos By Just Another Player Story
Other Statistics
Metroid Dread Statistics For Just Another Player Story
At present, Just Another Player Story has 1,197 views spread across 21 videos for Metroid Dread, with his channel publishing less than an hour of Metroid Dread content. This makes up less than 0.14% of the total overall content on Just Another Player Story's YouTube channel.