[TGS 2021]「トライアングルストラテジー」メディア体験会レポート。先行体験版のフィードバックを徹底的に反映した最新版をプレイ
スクウェア・エニックスは,2022年3月4日に発売予定のNintendo Switch向けソフト「トライアングルストラテジー」のメディア体験会を同社内にて開催した。
ドット絵に3DCGの画面効果を加えた新機軸のグラフィックス表現「HD-2D」で描かれる重厚なストーリーを,往年のタクティクススタイルのシミュレーションRPGとして体験する本作。今年2月に先行体験版「Debut Demo」を配信し,そこから得られたプレイヤーからのフィードバックを多数反映し,より洗練された形で開発が進められている。「Debut Demo」では6話と7話の内容が配信されたが,今回の体験会ではゲームスタートから第1話までをプレイできたので,その内容をお届けする。
物語の舞台となるのは,「聖ハイサンド大教国」「エスフロスト公国」「グリンブルク王国」の3つの大国が存在する大地「ノゼリア」。かつてこの大地では,塩と鉄の権利をめぐる「塩鉄大戦」が繰り広げられ,その後は協定による均衡が保たれてきた。
しかし,ある事件をきっかけにそれが大きく崩れはじめる。本作はその三国の1つであるグリンブルク王国の名家の嫡男「セレノア・ウォルホート」を中心とした物語が描かれている。
ノゼリアの三国は,限りある資源の塩と鉄をめぐり,激しい戦いを繰り広げた歴史を持つ
グリンブルク王国のウォルホート家の嫡男セレノア。その領地では慕われているようだ
往年の「タクティクス」系のタイトルを思い起こさせるクォータービューのゲーム画面は,ストーリーを描くシーンでは場面によってカメラの角度やズームが変わるなどの演出が入り,イベントシーンではボイスが再生される。
イベントシーンはフルボイスで,じっくり見たくなる
ストーリーを進めるときはワールドマップが開き,そこに表示されたイベントマークを選択していく仕組みだ。イベントにはメインとサブがあり,前者はストーリー進行に必須のもので,後者はプレイしなくてもゲームは進められるが,進行に応じて消えてしまうこともあるという。ゲームはオートセーブと任意セーブの両方が用意されていて,前者のスロットは1つしかない。ここぞというときには,自分でセーブすることが基本となるだろう。
ワールドマップ上のメインイベントは赤色のアイコンで表示。緑色アイコンのサブストーリーが現れることもある
第1話「一羽の鷹のように」は,セレノアの国であるウォルホートの港に侍女を伴って降り立つ薄紅色の髪の女性「フレデリカ・エスフロスト」に襲いかかる盗賊一団と,迎えにやってきたセレノアらとの戦いが繰り広げられる。ゲーム開始前は事前にどのユニットが出撃するか確認でき,装備しているアクセサリの付け替えも可能だ。なお消費アイテムは全ユニット共有のものとなっていた。
軍船に乗ってウォルホートの港に降り立ったフレデリカを盗賊が襲う
バトル開始前に,ユニットのパラメータやアビリティ,装備品などを確認できる
この第1話から本作の重要な要素である「信念パラメータ」に関する選択肢が登場する。体験版でも提示されたこのパラメータは,セレノアの「Moral」「Benefit」「Freedom」の3種類があり,プレイヤーの選択によりセレノアの信念が形成され,その信念によって物語が分岐したり,仲間が加わったりするなど,その後の展開に変化が起こるのである。信念パラメータの数値は見ることができず,どの選択でどの数値が加減されるのかは分からないので,まずは直感で選んでみるのがいいかと思う。
選択肢によって信念パラメータの数値が変化。その後の展開にも変化が起こる
敵となるのはトラヴィス父娘を筆頭とした盗賊団「トラヴィス一家」。こちらはセレノアと執事の「ベネディクト・パスカル」に,フレデリカと侍女の「ジーラ・ブレイス」,そしてグリンブルク王国の第二王子にしてセレノアの親友「ロラン・グリンブルク」が加勢したメンバーでの戦闘が展開する。冒頭から多数の人物がユニットとして登場し,やや混乱するかもしれないが,メンバーは[X]ボタンでプロフィールが確認できる。
マップ上や会話中に見られるプロフィールにはイラストとテキストが表示され,分かりやすくなった
騎馬に乗って加勢する「金髪碧眼の男」ことロラン・グリンブルク。武器のランスは前方2マス分の敵を貫く
戦闘時のマップは斜め見下ろし型で,高さの概念があり,それが戦術にもつながる。
ユニットはマップ上の「移動」と,移動先で行う「行動」を1回ずつ行い,終了後に向きを決めてターンを終了する。行動順は敵味方のユニットごとの「速度」のパラメータで決まり,それが画面下の「ATバー」に表示される仕組みだ。
下にあるのがATバー。左から行動順に並んでいる。これを入れ替えるアビリティなどもあるようだ
ユニットの移動時はその範囲が色分けされ,どの場所が敵の攻撃の範囲内なのかが一目で分かるようになっている。また攻撃やアビリティなど行動時の結果を予測する「シミュレーション」の機能も用意されていて,プレイヤーが的確に行動できるようなサポート機能が充実している。
前述の高低差を利用し,対象を味方同士で挟んだ状態で物理攻撃すると発生する「追撃」,真後ろからの「バックアタック」は必ずクリティカルになるなど,位置取りによって有利になれる戦術が存在し,逆に敵もそれを利用してくるので,ターンを終えた時点の位置や向きなども重要なポイントとなっている。
青は安全,紫は敵の攻撃圏内を意味し,アーチ状のラインによってどの敵の攻撃範囲なのかが分かる
シミュレーションでは,攻撃などで対象にどの程度ダメージを与えられるのかが確認可能だ
行動後にどちらを向くかは非常に重要。クリティカルを受けないように,敵のいないほうに背を向けるのだ
敵を倒すと「戦利品」をドロップすることも。その場所に行くことで拾えるが,敵に拾われてしまうことも
こうしたバトルの戦略は,この第1話から敵側もそれに則って攻めてくるので気が抜けない。幸いここでは誰かがやられてしまってもバトルを続けられ,システム的にユニットがロストしてしまうこともないので,ピンチのユニットを囮として敵を引きつけることでなんとか勝利できた。
マップは回転させることで,互いの位置取りなどを確認できる
最後はセレノアとロランの挟み撃ちによる追撃でとどめ。戦闘終了後には報酬が入る
初っぱなから歯ごたえのあるバトルが展開されたが,プレイヤーをサポートするシステムがしっかり作り込まれていて,さらに操作もしやすいので,悪手を打ってしまうことが少なくなり,モチベーションが持続する印象を受ける。
物語が進むにつれ,ユニットは成長し,さらに新たなユニットが加わって,より多彩なバトルが繰り広げられる。先行体験版でも,その一部分を味わうことができたはずだ。
フレデリカはなんとセレノアの結婚相手だった。しかしそれは同盟強化のための政略結婚である
さらに先行体験版のアンケート約2万5000通のフィードバックは,ロード時間の改善や3段階のバトル難易度選択の追加などを筆頭に,操作性や遊びやすさの向上などが中心に反映され,2022年3月4日の発売日に向け開発中だ。
先行体験版をプレイして好みだと判断した人はもちろん,キャラクターや世界観などが気になるという人も楽しめると思うので,発売までの期待を高めておこう。
三国に関連するキャラクター達の思惑が,群像劇のような形で描かれる物語も楽しみなところだ
「トライアングルストラテジー」公式サイト
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トライアングルストラテジー価格:パッケージ/ダウンロード版:7680円(税込)発売日:2022/03/04ジャンル:RPG シミュレーション
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